主催者あいさつ

本日は「子ども絵画館」にご来館いただき、誠にありがとうございます。当館は、(株)日本香堂の主催で2000~2019年度に実施された『ふるさとのお盆の思い出』絵画コンクール20年間の入賞作品、全2,124点を一堂に揃えた、子ども絵画専門の展示サイトです。

世の中は加速度を増して移り変わり、流れ動いておりますが、一方で私達にはいつまでも変わりなく忘れることなく、大切に残しておきたいものがあります。
誰の心にも宿る、穢れなく美しい風景、愛しく懐かしい出来事の一齣一齣・・・。
そんな《心のふるさと》とも呼ぶべき一生のたからものと巡りあう、子ども達にとって夏休みは最高の舞台と申せましょう。そこには私達が受け継いできた心やさしいお盆の風習もきっと息づいていることでしょう。

子ども達が身のまわりにある自然や文化、ご家族や地域とのふれあいに目を向け、驚き、感動し、一枚の絵に塗り込める・・・。それがいつの日か彼等ひとりひとりの《心のふるさと》をさし示す道標になるとすれば、どれほど素晴らしいことか・・・。
そんな想いを分かちあう原田泰治画伯ご指導の下、ここまで回を重ねてまいりました本コンクールです。20年にわたる子ども達の“夏の感動表現”をどうぞゆっくりご鑑賞くださいますよう、そして皆様方ご自身の思い出深い夏景色とも重ね合わされ、時代を超えて変わることなき無垢なる世界に触れていただけますよう願ってやみません。

現在、作品の募集は一旦休止として新たな展望を拓くべく、しばしの充電期間をお許しいただいておりますが、引き続き私共の活動に対し、ご理解とご声援を賜りますよう、何卒お願い申し上げます。

株式会社 日本香堂
『ふるさとのお盆の思い出』絵画コンクール事務局

〈特別寄稿〉 子ども絵画館「常設展」の開設に寄せて

株式会社ナイーフギャラリー
代表取締役社長 原田 美室

亡き父、原田泰治が20年間、変わらぬ熱意で取り組み、最期まで見守り続けた「ふるさとのお盆の思い出」絵画コンクールの入賞作品と、これからもこうして親しめる「常設展」が開設されましたことを心より嬉しく、ありがたく思っております。

私にとってこのコンクールは、車椅子の父の介添え役として選考会に立ち会っていた頃もあり大変思い出深く、特に子ども達の絵と向き合う父の姿は今も鮮明に憶えています。時に目を凝らし、時に目を細め、作品一点一点に塗り込められた無垢な感動を掘り当てては朗らかに褒め称える満面笑みの父が、そこにいました。

ですから、このサイトに展示されたどの作品からも『すごいなぁ』『よく描けたねぇ』と父の弾んだ声が聞こえてくるようで、心がほっこりする私の居場所になってくれています。

現在、作品の募集は一時休止中と伺い少し残念に思いますが、父が携わったコンクール20年間のご卒業生のみなさんがこの「子ども絵画館」を懐かしい「母校」のように慕い続けてくださることを願ってやみません。